読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2019-10-28から1日間の記事一覧

セルジュ・フォーシュロー『マレーヴィチ』(美術出版社〈現代美術の巨匠〉シリーズ 1995)

20世紀初頭の複数の芸術運動を駆け抜けた感のある作品群を、カラー106点と白黒挿入図版で紹介。自身が切り開いた「シュプレマティスム(絶対主義)」の抽象作品を頂点とした絵画制作を通しての精神の運動を追えるところが興味深い。具象からキュビズムを経て…

松本透 『もっと知りたいカンディンスキー 生涯と作品』(2016)東京美術

寝転がってカンディンスキーの絵を見ることのできる軽い一冊にもかかわらず、中身の情報はかなり充実しているように思う。 マレーヴィチは、1919年に《白の上の白》連作を発表して絵画の終焉を宣言し、タトリンら構成主義の作家たちも、伝統的な「構成(コン…