読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2019-11-09から1日間の記事一覧

篠原資明『差異の王国 美学講義』(2013)

芸術がわかるとは、違いがわかることなんだ。(p3) 参考になったのは、ベネデット・クローチェ(1866 - 1952)の論を引きながら経済と道徳について語っているところ。 経済と道徳については、どちらも意志的行為にかかわりますが、経済的活動の場合、意志の…

宮下規久朗『そのとき、西洋では 時代で比べる日本美術と西洋美術』(2019)

日本美術と西洋美術という対比での学習感は正直あまり残らないが、各時代の分析、解説は平均して質が高いように思われた。 フランスの哲学者レジス・ドブレは、20世紀後半のメディア社会までを視野に入れ、一九九二年に『イメージの死と生』を出版。古代から…