読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-01-25から1日間の記事一覧

野口米次郎「雨の夜」(Seen and Unseen 1896『明界と幽界』より)

雨の夜 雨は屋根を叩く、私はその響きでびしょぬれになるやうに感ずる………私は沈黙の諧音を失ひ温かい黙想を失つた。私は真夜中寂しい寝床に横たはる。雨は私の部屋の暗闇を乱し飛散させるやうに私は感ずる。 ああ、雨は屋根に釘を打つ。いな夜の暗闇に釘を打…

堀江貴文『すべての教育は「洗脳」である』(2017)

教育は洗脳、学習は自己調教。言い方だけという気もするが、相対化していくことは大事だと思う。堀江貴文はそんなことよりも「没頭する力」が大切と言っているけれど、アクセルを踏むための環境を整えるための状況確認として本書のような文章もとても大切。 …

野口米次郎「影」(Seen and Unseen 1896『明界と幽界』より)

影 私は影を喜ぶ、輝く善美のやうに自然で、真実の奴隷のやうに従順で、寂寞の表象とも云へる、又思想の姿だとも云へる。 私の霊は自分の影の上に横はつて、「運命」が私に立てと命ずるのを待つている。私は自分の体の柱によりかかる一時の訪問者に過ぎない…