読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-03-06から1日間の記事一覧

ジュリアン・バーンズ『人生の段階』(原書2013 訳書2017)

小説、だろうか。愛する人をなくしたなかで書かれた散文。ただ、ひたすら悲しく空しい想いのなかでなされた仕事。本を読んでいると時々こういう作品に出会う。その時に感じるのは人間が生きていることの重量感だ。死者の後を追って死ぬこともできない。生き…

野口米次郎「影の放浪者」( The Pilgrimage 1909『巡礼』 より )

影の放浪者 眼には見えねど神の御手に招かれて、そよ吹く銀の風の如く、聖き空をめぐる。胸に秘むる一曲の歌………我等は祈禱の童僕(わらべ)だ。 我等の歌は、亡びし都城の跡を知らず、王国の哄笑も我等の足を止めない、我等の心は遠く、太陽、風雨を友として…