読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-03-07から1日間の記事一覧

ジョン・アガード『わたしの名前は「本」』(原書2014 訳書2017)

ガイアナの劇作家、詩人の本。本の歴史を擬人化された語り手=本が語る小品。いきなり老子が引用されていたりして、ちょっとワクワクする。 人生は粘土の塊だ。ほかの人に形作らせてはいけない。(老子 B.C.604-B.C.531 「粘土板で伝えよう」p17) 何処から…

野口米次郎「芸術」( The Pilgrimage 1909『巡礼』 より )

芸術 そもそも芸術は、蜘蛛の巣のやうに、香の空中にかかる、柔かで生き生きと、音楽にゆれる。(人生に浸潤する芸術は悲しい。)その音楽は瞬間の緊張に死ぬる、生きる、暗示がその生命だ。芸術に美と夢の探求はない、(なぜといふに、)芸術は美と夢そのも…