読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-08-08から1日間の記事一覧

ジェイムズ・ジョイス『ダブリナーズ』(原書1914, 柳瀬尚紀訳 2009 新潮文庫)

読み通して残る印象および感想は、「これらの不如意、どう処理したらいいものか」という表現対象に対しての困惑と、表現対象を刻印させるジョイスの描写表現能力に対する敬意と憧れ。困惑は描かれたダブリンの冷え冷えとした重さ、暗さへのある種の近づきが…