読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-08-11から1日間の記事一覧

野口米次郎「空虚」(『山上に立つ』 1923 より )

空虚 私の心が大きな空虚になる、水がなみなみと満ち、綺麗な魚が沢山居つて、今朝水中に落ちた星の玉を争ふ。すずしい風がそよそよ吹く、漣が波紋を作る、(ああ、私の心の空虚の池!)何処かにゐる私の霊はくすぐつたく感ずる。『動いてはいけない、水よ、…