読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-08-22から1日間の記事一覧

野口米次郎「墓銘」(『我が手を見よ』 1922 より )

墓銘 彼の詩は黒色であつた、人が彼に問うた、『なぜ先生は詩を赤や青でお書きにならない。』彼は答へた、『くだらない事を言ふ人だ、赤も青も黒になりたいと悶えてゐる色ぢやないか。』彼の詩は黒色であつた、これに相違はなかつたが、彼には各行が赤にも見…