読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-10-04から1日間の記事一覧

ポール・クローデルの戯曲『真昼に分かつ』(原書1906, 鈴木力衛・渡辺守章訳 1960, 1976 )神話的激しさをもつ劇

同時期に起こった作者クローデルの信仰の危機と恋愛の危機を起点として成立した劇作。男性三人女性一人の四角関係、神話的激しさを持ち、刺激は強い。 【脳内上演キャスト】イゼ (ド・シーズの妻): 佐藤江梨子メザ (後にイゼの恋人): 神木隆之介ド・シ…

自作を語る画文集『エドヴァルト・ムンク 生のフリーズ』(訳編:鈴木正明 八坂書房 2009) 生の支えとしての芸術の光

フリーズは冷凍、凍結、氷結ではなく建築用語からの流用。「叫び」の状態のまま生が固まってしまうということをねらって言っているものではない。 「フリーズ」とは、元来は建築用語でギリシアの神殿建築における列柱上部の、通常は絵や浮き彫りで飾られた帯…