読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-10-13から1日間の記事一覧

山内義雄訳『フランス詩選』(白水社 1964, 1995)マルセルの消えぬ記憶と秋の暮

ロジェ・マルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』やアレクサンドル・デュマ・ペールの『モント・クリスト伯』の訳者として名を残している山内義雄のフランス訳詩集。私はポール・クローデルの詩を日本語で読みたいと思い検索していた中で出会った訳詩集…

本居宣長『紫文要領』(1763 34歳)「もののあわれ」で語る源氏物語論

もっぱら平安古典を読みひたり、人の情の本来的姿を観想する。生産性や効用や能率などで評価されないよわく愚かしいこころの動きを愛おしみ伸びやかにさせる。言葉によるこころの浄化と保全の運動、といったら「漢心」っぽくなってしまうだろうか。 すべて人…