読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-10-17から1日間の記事一覧

Think the Earth プロジェクト 編集統括:小崎哲哉『百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY』(紀伊国屋書店 2002)20世紀を振り返り、21世紀の地球を考える100枚の写真

小崎哲哉『現代アートとは、何か』を読んで、コンセプチュアル・アートに慣れることも期待して、小崎哲哉の仕事をもう一冊。貧困、感染症、戦争、公害、廃棄物。センシティブな人は避けたほうがいいかもしれないが記録価値のある写真の数々。最近読んでいる…

マルティン・ハイデッガー『アナクシマンドロスの言葉』(原書 1950 理想社ハイデッガー選集4 田中加夫 訳 1957)「事物がそこからしてその生成を持つところのものへと、それらは又必然的に没落しなければならない」

掲題のアナクシマンドロスの言葉は100頁の思索を経てハイデッガーによって以下のように訳し直される。 「収用」に従って。即ちそれらは、「不正合」の(克服において)「正合」と、それ故又相互への「配慮」とを〔これに〕帰属させる(p114) 「存在する…

本居宣長『石上私淑言』(1763 34歳)「もののあわれ」に「詞の文」をまとわせる

いそのかみのさざめごと。27歳の時の『排蘆小船(あしわけをぶね)』を展開させたもの。内容はほとんど変わらないが引用歌がふんだんで門人たちには学びやすいものになっていただろう。同年五月、尊敬する賀茂真淵と会見し、十二月に入門。古事記伝に舵を切…

【ハイデッガーの『ニーチェ』を風呂場で読む】05. 個物 私と共に生きる事物の手触り

その辺にあるであろう事物との共生。その辺に生きている私という存在の確認。 プラトニズムと実証主義における真理 ニーチェがニヒリズムの根本経験からプラトニズムの逆転を試みたこと 芸術と真理の関係に向けられたプラトンの省察の範囲と連関 芸術は感性…