読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2021-09-22から1日間の記事一覧

藤原定家撰『新勅撰和歌集』(1235年完成 久曾神昇+樋口芳麻呂校訂 岩波文庫 1961) 病める華々の消えることのない妖しい形姿と芳香

第9番目の勅撰和歌集。武家社会への移行を決定づけた承久の乱の後の世に、後堀河天皇の命を受け、70歳の重鎮たる定家が時代の推移を踏まえながら単撰した撰集。老年を迎えてからの定家の平淡優艶を好む嗜好性を反映した撰集といわれ、そういわれるのも宜…