読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2022-02-05から1日間の記事一覧

安藤礼二『霊獣 「死者の書」完結篇』(新潮社 2009) 作者安藤礼二は熱狂と冷徹を兼ね備えた異能の憑依者であると思う

空海を主人公に迎えた折口信夫未完の小説『死者の書 続編』を批評的にたどり直した一冊。 未完の物語を引受けた小説を期待して読むと場違いなことに気づく。※水村美苗の漱石『明暗』に対するアプローチとは異なる続編作家としての引き受け方を提示している。…