読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

中島秀之+ドミニク・チェン 『人工知能革命の真実 シンギュラリティの世界』

中島秀之
ドミニク・チェン
人工知能革命の真実 シンギュラリティの世界
2018.02

web-wac.co.jp

 

対話者二人の気になる発言。

ドミニク・チェン

人工知能技術を使って、どういう人間になりたいのか、という問いと向き合いながら活動することによってこそ、テクノロジー社会のなかで真に意味のある責任を受け持つための契機となる。(p215)

 

中島秀之

「AIで今後の社会はどうなるの?」という問いを多く受けますが、これは間違った問いです。正しい問いは「私たちはAIで今後の社会をどうしたいのか」です。(p224)

 

どうしたいのかという問いに答えてみる。

どうしたいのか:
ストレスのない生活を実現したい。

付随する問い:
働かなくていい生活は制度的にはベーシックインカムが前提となってくると考えられるが、どうなるか?実現可能か?
消費のみの生活で精神のバランスは保っていけるのか?
人工知能やロボットの所有階級と非所有階級の断絶は起こるのか?
政治経済での管理・統制と個人の自由のバランスは適当なところに落ち着けるのか?
長寿社会で快適に長生きできるようになるのか?身体と精神に負荷のかからない生活が維持可能か?

「どうしたいのか」と「付随する問い」を列挙した後に浮かんできた想い:

トマス・モアの『ユートピア』では犯罪者を奴隷とすることで社会を維持していく側面があった。
ウィリアム・モリスの『ユートピアだより』は生産が趣味によって賄われているような現実味の薄い世界だった。
現実的にはなるようにしかならないだろうが、人工知能やロボットが発達した場合の、ある程度リアリティのあるユートピアをイメージしていく必要がありそうだ。

 

取得情報メモ(話題豊富でそれについての意見も率直で刺激的でした):
スチュワート・ラッセルの「安全なAIのための3原則」(利他性の原則、謙虚の原則、行動観察からの学習)P135
マーティン・セリグマンのウェルビーイングに至るためのP,E,R,M,A P178
脳と有機結合するコンピュータチップの開発(「ニューラルレース」)P141
ベンジャミン・リベットの実験(後付けの意識)P173

 

中島秀之
1952 -
ドミニク・チェン
1981 -