カムイ・ユーカラ アイヌ・ラッ・クル伝
1993
(1978刊『怪鳥フリュー カムイ・ユーカラ』改題)
神話にしてはモダンな印象でしたが、それは語りをそのまま起こしたものではなく、読み物として、演劇として再構成されていたためでした。語りものとしてのカムイ・ユーカラを望むのであれば『アイヌ神謡集』のほうがよいのでしょうが、私はこちらの「読む神話」のほうに魅かれてました。
どの話もおおらかな感じがするのは、死や争いに後を引く恨みがなく、精神世界へ昇華される安心感があるからだと思います。
アイヌ・ラッ・クル伝はハリウッド映画にしてもいいような爽やかな創世神話でした。
目次:
ミソサザイの神が語った話
鼻長ネズミが語った話
強情クマ神が語った話
小さいカワウソが語った話
ウサギのおじいさんが語った話
怪鳥フリューが語った話
マリリンコ姫物語
カッコー鳥の歌
ことばあそび
強情カワウソが語った話
アイヌ・ラッ・クル伝