四つのギリシャ神話 (『ホメーロス讃歌』より)
訳:逸身喜一郎, 片山英男
1985
ホメーロスを読むにしろ、ギリシャ神話に接するにしろ、手ごろなボリューム感。
一篇あたり50ページくらい、文字がゆるく組まれているので、30分もあれば読み通せる。
また内容もよい。特に後半の2篇は楽しく、記憶にも残りやすい。
「ヘルメースへの讃歌」は竪琴の発明と牛泥棒の話。
「アフロディーテーへの讃歌」はアフロディーテーが人間の男に恋をして、子供アイネイアースを宿す話。
このようにマイアの息子ヘルメースに対して、主アポローンは、さまざまな形で親愛の情を表わし、加えてクロノスの御子ゼウスも、好意を示した。/ヘルメースは、死すべき人間であれ不死なる神々であれ、誰ともつきあう神である。とはいえ、益をもたらすのは稀なこと、夜のしじまの果てるまで、死すべき人間の一族をもてあそぶのが常である。(p152)
遊技する神に対しての信愛と畏敬の念がそこはかとなく香る。
目次:
デーメーテールへの讃歌
アポローンへの讃歌
ヘルメースへの讃歌
アフロディーテーへの讃歌
逸身喜一郎
1946 -
片山英男
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