読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

谷川俊太郎 『こころ』

谷川俊太郎 『こころ』

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2013

老いが感じられない。ずっと活力があるとの印象がある。
肯定にも否定にもコトバに力がある。
輪郭がはっきりとした人生の絵が各詩にあらわれて、鮮やかにピン止めされている。

 

心は私の私有ではない
私が心の宇宙に生きているのだ (「心よ」p69) 

 

泥がだんだん沈殿していって
心が少しずつ透き通ってきて
世界がはっきり見えてきて (「散歩」p31)

 

ゆれる心、うごく心のバランスのとりかたに示唆をあたえてくれる、すっきりとした詩句に出会える一冊。

 

谷川俊太郎
1931 -