読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

呉茂一のホメロス『イーリアス』

ホメロスイーリアス

訳:呉茂一

 

とりあえず通読完了。

呉茂一のホメロス訳で気を付けておくべきことは「いかさま」の意味。もちろん「いんちき」ではない。

古語辞典に載っている副詞としての「きっと、確かに、ぜひとも」あるいは感動詞としての「いかにも、なるほど」のいずれかの意味を想起しながら読み進める必要がある。

 

全二十四書概要:

第一書 疫癘および嗔恚 611行
第二書 夢見、ボイオーティア または 船軍の勢揃え 877行
第三書 誓約、城壁よりの物見、パリスとメネラーオスの一騎打 461行
第四書 誓約の破棄、アガメムノーンの閲軍 544行
第五書 ディオメーデースの武勇譚 909行
第六書 ヘクトールとアンドロマケーの出会い 529行
第七書 ヘクトールとアイアースの一騎打ち 死者の取り片づけ 482行
第八書 腰砕けの戦 566行
第九書 アキレウスへの使節派遣 祈願の巻 713行
第十書 ドローンの段 579行
第十一書 アガメムノーンの武勇譚 849行
第十二書 囲壁の戦い 471行
第十三書 船傍の戦い 837行
第十四書 ゼウスを欺しの段 522行
第十五書 船側からの撃退 746行
第十六書 パトロクロスの歌 867行
第十七書 メネラーオス勇戦の段 761行
第十八書 武具製りの段 617行
第十九書 腹立ちやみの段 424行
第二十書 神々の戦い 503行
第二十一書 河畔の戦い 611行
第二十二書 ヘクトール最期の段 515行
第二十三書 パトロクロスの葬送 および競技 897行
第二十四書 ヘクトール贖いの段 804行

 

神々の世界と人間世界の二重性が魅力的。

 

呉茂一
1897 - 1977