読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

永井均 『存在と時間 哲学探究1』

永井均
存在と時間 哲学探究

books.bunshun.jp

2016

永井均のこの著作は読み手をかなり選ぶ。私は選ばれてはいなかった。

 

何であるか少しも分からないのは、問題が本質的に類型化を拒絶しているからである。どんな原因から生じたか分からないのは、それゆえに本質的に因果的把握が不可能だからである。しかし、そういう現実があり、じつはそれがすべての出発点になっている。ここでなされたのは、類型化の拒絶され方の類型化の試みにすぎない。
第18章「ただ不思議なことがありありと与えられているだけ」P324

 <私>と<今>のアクチュアリティと単独性(著者のことばでいえば「独在性」か)に関する議論が「およそいかなる学問の知見とも、まったくつながっていないし、つながる可能性もまったくない」といわれた時に、ほんとかねと思い私は脱落したのだと思う。

 

永井均
1951 -