読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

カンディンスキー『点と線から面へ』(1926)

直角は赤、鋭角は黄、鈍角は青。
抽象絵画のための理論書。カンディンスキーの抽象画は彼のロジックに従って作成されたものだということまでは理解したが、本書で説かれていることが万人に理解できるものかどうかといえば、かなり人を選ぶと思う。感覚的な表現なので、直感で分からなければ取り残されてしまう。

私がさっぱり理解できなかったものの例:右と左

左へ向かうと、成長しつつあるものは目立たなくなり、右へ向かうと―難儀さが増える。(p174)

 私がなんとなく理解できなたものの例:奥行

絵画から見たイリュージョン的な奥行きは現実的なものであり、それゆえ、奥へ向かう形態要素を求めて、たとえ測定できなくとも、若干の時間を必要とする。つまり、物質的な地‐平面が説明できない空間に変化するとき、時間のスケールは拡大するチャンスを得るのである。(p187の注)

難しい。

筑摩書房 点と線から面へ / ヴァシリー・カンディンスキー 著, 宮島 久雄 著

ヴァシリー・カンディンスキー
1866 - 1944
宮島久雄
1936 -