寝転がってカンディンスキーの絵を見ることのできる軽い一冊にもかかわらず、中身の情報はかなり充実しているように思う。
マレーヴィチは、1919年に《白の上の白》連作を発表して絵画の終焉を宣言し、タトリンら構成主義の作家たちも、伝統的な「構成(コンポジション)」を否定して「構築(コンストラクション)」を唱え、自分たちの仕事を実用的なプロダクト・デザインなどに限定していく。革命が進行するなかで、彼らはいずれもみずからの意思で芸術を終息させることになった。(p37)
私は色彩豊かなモザイクのような初期作品とロシア・アバンギャルドを経由したバウハウス以降のデザインの効いた作品が好きだ。
松本透 『もっと知りたいカンディンスキー 生涯と作品』東京美術
松本透
1955 -