読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

佐藤優『君たちが知っておくべきこと ― 未来のエリートとの対話 ― 』(2016, 2019)

灘高生への特別講座の書籍化。エリート同士の交流を覗き見る。

今起きている出来事や人間のものの考え方には大抵、思考の鋳型があるんです。ほとんどはその反復現象だからね。人類がどんな思考の組み立てや論理の組み立てをしてきたのか、その歴史を知らなければ、どこまでが過去の考え方と似ていて、どこからどう違っているのかは理解できないよね。(p113)

 

最近は盛んに「教養が必要だ、リベラルアーツが重要だ」と言われるよね。リベラルアーツのリベラルとは何? 自由人であるということだ。つまり、奴隷ではないってことだ。自由人が身に着けるべきものが教養であるなら、すなわち、テクネ―(技術)を持っているのは奴隷だということになる。(p133)

 

現代的な自由人層のイメージが湧かない・・・。佐藤優は召命された人のような感じがするので自由人という言葉には合わないような気がする。池上彰か・・・浅田彰か・・・蓮實重彦か・・・坂本龍一か・・・イチローか・・・中田英寿か・・・
まあ、いずれにせよハードルはめっぽう高そうだ。すでに賃金労働者となって長い時間を過ごしてしまったものとしては、これからの人工知能と共同作業できる程度のテクネーと少しの教養はもつようにしていきたいとは思う。人並みの教養だけでは食べてはいけない。


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佐藤優
1960 -