琳派の生みの親、俵屋宗達に触れたので、せっかくなので琳派をもう少し追ってみる。
華やかな光琳。デザインのきいた「燕子花図屏風」もいいけど「四季草花図屏風」の生命感あふれるにぎやかさにより引き付けられる。
宗達画の学習は光琳が絵師となっていく過程で重要な意味を持っていた。江戸時代初期の京都で活躍した俵屋宗達(生没年不詳)は、平安時代以来の大和絵を近世風の新しい造形感覚で再生した斬新な造形を見せていた。宗達画の支持者と同様な京都の上層町人階級に属していた光琳は、ある意味当然の成り行きとして宗達画を継承していったと思われる。(p12)
本書の中で一番面白く感じたのは宗達の歌仙図の模写を置いていたところ。原画に近い在原業平の模写と、光琳のセンスを加味した模写を並べていて、光琳っぽさがどの辺にあるのかがよくわかる。衣服や顔からどんどん角が取れてまるくおさめられていっているのが面白い。ほかの作品で言えば「蹴鞠布袋図」なんかも全部まるっぽくてかわいらしい。