読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

谷川俊太郎『聴くと聞こえる on Listening 1950-2017』(2018)

沈黙について沈思するきっかけとなる詩の数々。

初めに沈黙があった。言葉はその後で来た。今でもその順序に変りはない。言葉はあとから来るものだ。
(中略)
しかし、沈黙はひとりである。声はむすびつこうとするものだ。産声、それは最初の言葉だ。呼びかける言葉、最も切実な、愛をもとめる最初の言葉だ。
(<沈黙を語ることのできるものは>より)

言葉は危機を逃れるために出したサインでもある。ひとりでいる危機を打ち破るための武器でもある。

 

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谷川俊太郎
1931 -