岩波文庫で読む漱石の漢詩。今回は青年期の作品が印象深く残った。
漫識読書涕涙多
暫留山館払愁魔
可憐一片功名念
亦被雲烟抹殺過漫りに読書を識りて涕涙多し
暫く山館に留まりて愁魔を払う
憐れむ可し一片功名の念
亦た雲烟の被に抹殺過さる
帰途口号のうち一首。箱根山を去ろうとしての作。明治二十三年(1890年)、漱石23歳の作品。
(サイボーグ化などして)生きていれば今年2020年、漱石は153歳。果たしてどんなものを書き進めているだろうか?(書いていたら、すくなくみつもっても高橋源一郎や水村美苗よりいいものだろうな・・・) それとも、何も書かなくなってしまっているだろうか? 画くらいは描いているだろうか?