読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

新潮日本古典集成『萬葉集 四』

巻十三~巻十六(歌番号 3221~3889)
青木生子、井出至、伊藤博、清水克彦、橋本四郎 校注

3852ではじめて旋頭歌がすっと読めた感じがした。和歌のリズムと違うとなかなかすっと情感が入ってこないものだと思った。

 

3228 神なびの みもろの山に 斎(いは)ふ杉(すぎ) 思ひ過ぎめや 苔生(こけむ)すまでに

3603 青楊(あをやぎ)の 枝伐(えだき)り下(お)ろし ゆ種蒔(だねま)き ゆゆしき君に 恋ひわたるかも

3623 山の端(は)に 月傾(かたぶ)けば 漁(いざ)りする 海人(あま)の燈火(ともしび) 沖になづさふ

3852 鯨魚取(いさなと)り 海や死にする 山や死にする 死ぬれこそ 海は潮干(しほひ)て 山は枯れすれ