読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

藤原一二『大伴家持 波乱にみちた万葉歌人の生涯』(2017)

淡白、というか、のっぺりしている。大伴家持の歌に分け入っていこうという意図はさほどなく、歌が生まれた背景、史実を拾い上げている。家持ゆかりの土地の郷土史家が読者としてはベストだろう。また、家持の歌になじんだ後に、背景を正しく知りたいような場合にも生きてくるかもしれない。

本書は、大伴家持の生涯を歴史的な側面からとらえ直すことを目的とし、誕生から逝去にかけて家持と人・社会の関係を中心に、時の変遷する中で家持が選択した行動と結果への対応に焦点をあてることを意図した。(「エピローグ」p220)

参考資料として使うべき書物。

大伴家持|新書|中央公論新社

 

大伴家持
718 - 785
藤原一二
1941 -