読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

マルセル・モース「文明 要素と形態」(1930)

身体的な欲求も社会的な欲望も他なるものを取り込みながら同化変容していく。活動領域や交換法則は整備されながら拡大していく。同質化の動きは避けられない。

確実なのは以下のことどもです。現在までの未曽有の相互浸透がもはや定着していること。個々の国民であれ個々の文明であれ、たとえそれらが存続するにしても、それらが共通とする特徴の数は増加してゆくであろうこと。一つひとつの国民なり文明なりの形態は、それ以外の国民や文明の形態とどんどん似たものとなってゆくであろうこと。それというのも、共通の基盤がつねに数を増し、重みを増し、質を向上させているからです。加速的な発展をもって、つねに拡大し続けているからです。(森山工編訳 岩波文庫版『国民論』p283)

いままさに加速度を増して拡大中。

過渡期であっても、できることなら質の向上がもっと実感できるような状況であって欲しい。

 

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マルセル・モース
1872 - 1950
森山工
1961 -