これより『ニーチェ Ⅱ ヨーロッパのニヒリズム』(原書 1939, 1940, 1961 平凡社ライブラリー 1997)
一 認識としての力への意志
形而上学の完成の思索者としてのニーチェ
ニーチェのいわゆる《主著》
新たな価値定立の原理としての力への意志
《世界》と言うとき、ニーチェはそれを存在者の全体という意味に解しており、そして、われわれがとかく《世界観》と《人生観》とを同一視するように、世界をしばしば《生》と同一視している。
「この世界は力への意志であり――それ以外の何ものでもない。そして君たち自身も、この力への意志であり――それ以外の何ものでもない」(《力への意志》一〇六七番)(p34 太字は実際は傍点)
Ⅱにおいても、プラトニズムの転倒としてのニーチェ哲学の読み解きが継続される。プラトン的=キリスト教的な超感性的なものを頂点にした価値体系から、地上のものたる《世界》《力への意志》とその認識から価値を定立するという転回を選びとるあらたなニーチェの哲学。
1889 - 1976
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
1844 - 1900
細谷貞雄
1920 - 1995
加藤登之男
1919 -
船橋弘
1929 -