読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

【ハイデッガーの『ニーチェ』を風呂場で読む】14. 世界 存在者の全体としての世界と認識としての力への意志

これより『ニーチェ Ⅱ ヨーロッパのニヒリズム』(原書 1939, 1940, 1961 平凡社ライブラリー 1997)

 

一 認識としての力への意志

形而上学の完成の思索者としてのニーチェ
ニーチェのいわゆる《主著》
新たな価値定立の原理としての力への意志

《世界》と言うとき、ニーチェはそれを存在者の全体という意味に解しており、そして、われわれがとかく《世界観》と《人生観》とを同一視するように、世界をしばしば《生》と同一視している。
この世界は力への意志であり――それ以外の何ものでもない。そして君たち自身も、この力への意志であり――それ以外の何ものでもない」(《力への意志》一〇六七番)(p34 太字は実際は傍点) 

 Ⅱにおいても、プラトニズムの転倒としてのニーチェ哲学の読み解きが継続される。プラトン的=キリスト教的な超感性的なものを頂点にした価値体系から、地上のものたる《世界》《力への意志》とその認識から価値を定立するという転回を選びとるあらたなニーチェの哲学。

 

マルティン・ハイデッガー

1889 - 1976
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
1844 - 1900
細谷貞雄
1920 - 1995
加藤登之男
1919 -
船橋
1929 -

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