読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

【ハイデッガーの『ニーチェ』を風呂場で読む】21. 逆転 プラトン主義が逆転した後のぐらぐらした不安定な地平

本能だけで生きられる動物的生と、社会的文化的地平で生きられる人間的生の違い。人間的生は社会的なものなので、地平は活動域を広め深めながらも、生息域としての結構を満たすように醸成していかなければならない。

二 同じものの永遠なる回帰と力への意志

逆転されたプラトン主義は、盲目的に硬直化し平板化される。いまや、自分自身のために自分へ向かって自分自身を力づける《生》という唯一の平面だけが、わずかに存立するのみになる。形而上学は存在性をΙδέαとする解釈から明確に始まるかぎり、それは《すべての価値の転換》においてその極限的な終末に到達するのである。この唯一の平面こそ、《真の》世界仮象》の世界との廃棄のにも残存するものであり、これが永遠なる回帰と力への意志との同一なるものとして現われ出るのである。(p253 太字は実際は傍点)


しっかり杭打ちしないと危なそうな平面、もしくは安定するための特殊な台形化が必要な平面のような感じがする。


マルティン・ハイデッガー
1889 - 1976
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
1844 - 1900
細谷貞雄
1920 - 1995
加藤登之男
1919 -
船橋
1929 -