読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

旧約聖書の世界のはじまり

ビッグバンモデルとの親和性という言説もちらほら見かけているために、創世記では「光あれ」という言葉が最初にあるというようにイメージの書き換えが私の中で起こっていたのだが、実際に読み返してみると、光の前に天も地も水もあって、他の世界創造神話とそれほど変わらないのだなという印象に落ち着いた。

はじめに神は天と地とを創造された。地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。

神は「光あれ」と言われた。すると光があった。

(口語訳 旧約聖書「創世記」第一章)

 新約聖書のほうは「初めに言(ことば)があった」(「ヨハネによる福音書」)というところからはじまるので、こちらは人類のシンボル化能力による世界分節がはじまりとしてあるというふうに、無信仰の立ち位置でいまのところ解釈している。