市場にはほとんど出回っていない書籍。興味があったら図書館で借りて観て、という一冊。
明治期の日本画と洋画の激動と受容を、傍観者的立場でも微かに通覧し、追体験することができる資料的価値の高い書籍。
日本画と洋画があることで生じた苦悩と豊饒。混ざると変わる。混ざると除ける。
おそらく、まだ解消しきれていない日本美術界の問題を、まとまらないままに浴びるための時間を作ってくれている。日本固有の問題があり、解決しようとした運動が盛んだった時代があったことを、鑑賞者としての立場からも知ることができ、作家たちの歴史的成果を驚きとともに鑑賞することができる。
美術館の特別展に行ったような感覚を味わえる全200点の図版と解説。
日本画 88点
洋画 97点
彫刻 10点
版画 5点
全200点、百年前の具象の力。絵具と画家との格闘と交歓の痕跡。
監修: 浅野長武、小林行雄、 細川護立