読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

金子信久『鳥獣戯画の国 たのしい日本美術』(講談社 2020)遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん

鳥獣戯画を中心に、伊藤若冲歌川国芳、河鍋暁齋、曽我蕭白、森狙仙など、小さな動物や虫たちが躍動する日本画の世界に案内してくれる一冊。優美で瀟洒な線と淡くて品の良い彩色が心を和ませてくれる。兔と蛙と雀と金魚。猫と鼠と猿と亀。祭りと遊興に励む小さな生き物たちの躍動が時空を満たしている。今様の歌がどこからかきこえてきそうだ。

遊びをせんとや生れけむ
戯れせんとや生れけん
遊ぶ子供の声聞けば
わが身さへこそゆるがるれ

梁塵秘抄』より.


図版123点。河鍋暁齋と歌川国芳が特にたくさん載っている。

 

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000338590

 

目次:

第一章 --鳥獣戯画--の楽しさ
第二章 --鳥獣戯画--の子どもたち
第三章 動物ものがたり
第四章 不思議と夢想 -ウサギとキツネ-
第五章 動物たちの心


金子信久
1962 -