再読。ゲームAIに主観的世界と煩悩を持たせて一緒に遊びたいというのが基本発想。初読の際は、わざわざ機械に煩悩を持たせたらかわいそうだろうという感じを持ちながら好奇心で読みすすめていたが、今回再読している際には、自分の老後を考えて、感情のようなものをもった介護ロボットができてくれるのであればそれもいいかなという想いも出てきた。人型でなくてもルンバみたいな亀型とか車いす型とかで介護、見守り、話し相手をしてくれるものであれば、おそらく頼ることになるだろう。完全に人間の代替となるものでなくていい。それっぽいものがあれば孤立してしまったときでも多少の救いがある。はてなブログの関連記事の機能だけでもAIのちょっとしたもてなしを感じることもあるので、使用者の過去データをベースに生活の補助支援をカスタマイズして提供してくれる機械であれば、私自身はありがたく使わせていただくことになるだろう。
『人工知能のための哲学塾』は現象学を中心に主観性の確立について理論面から概観している。『東洋哲学篇』のほうは言語の文節化作用と人間の持つ身体性を禅の実践をコアにトレースしている。かなり豊富な文献を参照、紹介しているので、個人的に哲学の学習を進める時のガイドとしても大いに役立つ2冊であると思う。BNNサイトでの書籍紹介記事も充実している。