読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-03-13から1日間の記事一覧

野口米次郎「狂想」( The Pilgrimage 1909『巡礼』 より )

狂想 麦稈(むぎわら)一把と、女の髪と、土塊(つちくれ)で、私の家は作られる………さうだ。世界はいらない、………ほしいものは真実の詩一つだ。左の窓から、蜘蛛は飛びこみ、目には見えない一群の、高慢稚気な踊り子が、右の窓から踊りこむ、まるで潮だ。いや…