2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
25~30日に読み終わった本は7冊。 まだ新居で落ち着かない感じをゆっくり言葉でふさいでいる。 東京美術『もっと知りたい 東寺の仏たち』 www.tokyo-bijutsu.co.jp 空海の思想は生の肯定の思想で、第一作『三教指帰』からの文字文献においても艶めかし…
引越しで図書館へのアクセス環境も変わり、自転車10分圏内に3館の公立図書館があるということでひとまず全館に足を向け、棚の並びを実際に見てみた。検索システムではわからない図書館ごとの特徴がいっぺんで分かるのがリアルの世界のいいところ。本の並…
引越し後の一冊目はスピノザ。蔵書整理時にスピノザへの言及があるものを捨てられなかったことを確認できたため、楔の意味合いを込めて新居で何度目かの再読。 捨てられなかった本は的場昭弘『ポスト現代のマルクス ― マルクス像の再構成をめぐって ―』(お…
引越し後、最寄のBOOKOFFが変わった。 本日午後、業務を終えて、新居近くで自転車を新規購入した後、新たなテキスト流通の流れに身を委ねてみた。 今回、購入という行為で公共の書棚の構成から引き抜いて、自室に持ち込んだ書籍とCDは以下のとおり。 [仕事…
なんにもないがあるひ 凡庸な世界しか見えないのは もしかしたら 恩寵なのかもしれない なんにもないがあるひ なにごともなく暮れた
先週末、転居と引渡が完了した。都内隣接区で1Fから5Fへの移動。風の流れ方が違うんだなと単純に感じている。引越しの荷造りで強制的な棚卸とBS圧縮が発生したため、まだ心ここにあらず感が強い。箱詰めせずに転居前後の細切れ時間と落ち着かない精神…
セネカの『道徳論集』のなかでもそれ自体としては肯定的にとらえられていた「暇」につづいて、岡倉天心の『日本の覚醒』でも「余暇」「閑暇」の重要性が説かれていたので、他の人の考えも併せてメモ。 【岡倉天心 THE AWAKENING OF JAPAN 原文】 The philist…
大西英文訳(2010)のひとつ前の岩波文庫。『心の平静について』『幸福な人生について』と収録作も同じ。余暇の時間と平穏な生活を荒らすことなく、この世の借り物としての生を堅実に遂行することを説いた三篇。モンテーニュが好み、彼のエセーでも踏襲して…
絵巻四作品の全篇に拡大部分図、関連図版を配置して二十世紀のアニメーター高畑勲が絵と詞とが融合した日本に特徴的な表現を読み解いていく。絵巻全篇が省略されることなく掲載されることで、配置の妙や運動感、空間造形の深さがよりよく味わえる。美術館に…
青土社のパウル・ツェラン全詩集全三巻を読み通した後、引越準備もすすめなきゃと思い、読書ノートや学習ノートを整理しているうちに、ふたたび目にとまった一句。牛乳に黒を合わせると世界に緊張がはしる。日本でも、フランスやドイツでも。
フィリップ・ラク―=ラバルトのハイデガー批判書二冊(『政治という虚構』『経験としての詩 ツェラン・ヘルダーリン・ハイデガー』)を読み、アメリカの大学での展開を記したマイケル・ゲルヴェンの『ハイデッガー「存在と時間」註解』を読んだ後、マルティ…