読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2019-11-08から1日間の記事一覧

河野元昭『鈴木其一 琳派を超えた異才』(2015)

琳派四人目。デザイン感覚が横溢したとき、画面上に重力のない異世界が出現する。 抱一の引力圏を離れた其一は、自己の才能の赴くままに飛翔し、多面的な画質の傑作を生み出す。融合や統一に向かうことなく、大きな振れ幅をもちながら、画風の昂揚期を迎えて…

玉蟲敏子 『もっと知りたい酒井抱一 生涯と作品』(2008)東京美術

琳派三人目、酒井抱一(ほういつ)。尾形光琳を見た後だと、色が淡いと感じる。その色彩感としなやかな描線から霊的な遥けさのようなものもかんじさせる。代表作「夏秋草図屏風」にも見られる銀地の表現に特色があり、静けさを湛えた非日常感を演出している…