読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-03-09から1日間の記事一覧

萬葉集巻二十 4467 大伴家持

剣大刀(つるぎたち) いよよ磨(と)ぐべし いにしへゆ さやけく負ひて 来(き)にしその名ぞ 力を失っていく名門大伴の一族を背負う立場に立つほかなかった家持。基本感情は憂いであった。

藤原一二『大伴家持 波乱にみちた万葉歌人の生涯』(2017)

淡白、というか、のっぺりしている。大伴家持の歌に分け入っていこうという意図はさほどなく、歌が生まれた背景、史実を拾い上げている。家持ゆかりの土地の郷土史家が読者としてはベストだろう。また、家持の歌になじんだ後に、背景を正しく知りたいような…