濃密で匂い立つようなアイルランドの風土を豊饒な言語で描き出しているシェイマス・ヒーニーの詩作品、その第一詩集から第八詩集まで集成した大部の詩集。日本での編集翻訳刊行年に丁度ノーベル文学賞が決まったというのだから、出版に携わった人たちの眼力と熱量も相当なものなのだろうと感じた。作品部分だけで735ページを超えるので、いくら優れた詩人の詩作品とはいえ、いきなり読みはじめると跳ね返されてしまう危険もある。
この日本版全詩集以降に翻訳出版された著作で様子をうかがってから取り組むのが無難なのだろうと思う。
以下は読みながらしるしをつけた詩作品。
『ある自然児の死』(1866)
土を掘る、予防駆除、ジャガイモ掘りに行って、レコード授業
『闇への入口』(1869)
ネエ湖連詩7幻想
『冬を生きぬく』(1972)
北の貯蔵庫5火口、真夜中
『北』(1975)
『自然観察』(1979)
『ステーション島』(1984)
サハリンのチェーホフ、砂掘り場2復員兵の煉瓦職人、ステーション島4、身構え、柊、ある画家
『サンザシ提灯』(1987)
白日の芸術、レイチェルのいない夏、泥の幻、篩の謎
『ものの奥を見る』(1991)
養い子、第二部 1光る、4見積もる37,43、
『ステーションズ』(1975, 1990)(抄)
シェイマス・ヒーニー
1939 - 2013