所有している単行本『鏡・空間・イマージュ』『紙片と眼差とのあいだに』を再読した勢いに乗って著作集に手を出した。
現代的な絵画とテキストをめぐるシニフィアンとイマージュの終わりなき戯れについての論考の数々。
表現されたものの表面の輝きを軽妙にたどり、引用しながら読者に向けてその魅惑的な運動を波及させようとしているのが宮川淳の文章だ。
詩人の吉岡実は「私はそれを引用する/他人の言葉でも引用されたものは/すでに黄金化す」と詠ったが、本書では黄金化した言葉に数多く出会うことが可能だ。
人間が意味を生産するのは無からではない。それはまさしくブリコラージュ、すでに本来の意味あるいは機能を与えられているものの引用からつねに余分の意味をつくり出すプラ櫛笥なのだ。
(「引用について」より)
【目次】
『鏡・空間・イマージュ』
『鏡・空間・イマージュ』の周辺
『紙片と眼差とのあいだに』
『引用の織物』
『紙片と眼差とのあいだに』『引用の織物』の周辺
『紙片と眼差とのあいだに』Ⅱ(未定稿)
もうひとりのアクタイオン
補遺
【付箋箇所】※付箋個所は未読の部分限定
159, 179, 182, 185, 202, 210, 299, 302, 309, 314, 320, 330, 334, 337, 338, 345, 347, 348, 350, 362, 403, 420, 434, 454, 466, 478, 483, 485, 486, 493, 494, 510, 519
宮川淳
1933 - 1977