読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

新潮日本古典集成『萬葉集 五』

巻十七~巻二十(歌番号 3890~4516)
青木生子、井出至、伊藤博、清水克彦、橋本四郎 校注

左大臣橘卿謔れて云はく、「歌を賦(ふ)するに堪(あ)えずは、麝(じゃ)をもちてこれを贖へ」
歌はうたえるに越したことはない。

 

3926 大宮の 内(うち)も外(と)にも 光るまで 降れる白雪 見れど飽(あ)かぬかも

4076 あしひきの 山はなくもが 月見れば 同(おな)じき里を 心隔(へだ)てつ

4199 藤波(ふぢなみ)の 影なす海の 底清(きよ)み 沈(しづ)く石をも 玉とぞ我が見る

4255 秋の花 種々(くさぐさ)にあれど 色ごとに 見(め)し明(あき)らむる 今日の貴さ

4468 うつせみは 数なき身なり 山川(やまかは)の さやけき見つつ 道を尋(たづ)ねな

 

とりあえず通読。よく言われるほどには雄々しい感じは持たなかった。