読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

2020-02-06から1日間の記事一覧

野口米次郎「静かな河を越え」(『夏雲』1906 より)

静かな河を越え 静かな河を越え静かな小山の彼方に私の母は影を抱いて住んでゐる。なぜあんなに小山と河は静かであらうか、私は母に遇ひたい………ただ風が私を呼ぶのを待つてゐる。 誰が私の母が寂しい影を抱いてゐる姿を見たであらうか、誰が彼女の香ばしい呼…

新潮日本古典集成『萬葉集 五』

巻十七~巻二十(歌番号 3890~4516)青木生子、井出至、伊藤博、清水克彦、橋本四郎 校注 左大臣橘卿謔れて云はく、「歌を賦(ふ)するに堪(あ)えずは、麝(じゃ)をもちてこれを贖へ」歌はうたえるに越したことはない。 3926 大宮の 内(うち)も外(と…