読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

落合陽一『これからの世界をつくる仲間たちへ』(2016)

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世界は「魔法をかける人」と「魔法をかけられる人」に二分される。魔法=高度な科学技術にはタネも仕掛けもあるのだから、カラクリに通じて、自分の人生に役立てましょうという勧誘の本。さらには、専門性を生み出し彩りを生むための変態性を擁護しているという面があり、そこに落合陽一の味がある。

世界を変えるのは、もともと興味も関心もなかった人々の心を強烈にノックしてドアを開けさせる物やサービスです。そして、一番留意しないといけないのは、素人の心を失わないままに玄人になることです。それを考えながらキャリアを進めていく必要があると思います。
いつまでもマジに考え続けること、好奇心とテンションを高めに設定し続けること、要領よく子供であること。素人思考を保つためになるべくまっさららな気持ちでモノに向き合えると良いと、僕は思っています。(第三章「天才」ではない、「変態」だ p204)

 落合陽一自身はこの世の中から「ゲートをなくしたい」「継ぎ目をなくしたい」、「重力から解放されたい」という欲望を持っている。人には理解されづらい欲望を持ち続けながら、進みつづける姿は、やはりどこか変態的で、興味深い光を放っている。

 

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落合陽一
1987 -