読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

ビジネス書

日経ビジネス、日経クロステック、日経クロストレンド 編『 ChatGPTエフェクト 破壊と創造のすべて 』(日経BP 2023)

システムエンジニアという職業柄 ChatGPT の出現による業務上の圧力は現時点において身に染みて感じている。 問題が発生した場合にブラウザによる検索と情報収集よりはるかに迅速かつ的を射たソリューションの提案がソースコードレベルで提供される確率が高…

末吉美喜『テキストマイニング入門 ExcelとKH Coderでわかるデータ分析』(オーム社 2019)

本業技術職系読書。 いまの私がはたらいてお金をいただけるのは、Java,JavaScript系各種言語,XML,VBA,VB,C#,SQL, PL/SQL,その他マイナープログラミング言語数種と、プロジェクトマネジメント系各種スキルによるものであります。 50前半、あと10年くらい…

編著:赤羽喜治+愛敬真『ブロックチェーン 仕組みと理論 未来を創造するための最新動向と6つの基盤 増補改訂版』(リックテレコム 2019)

本業技術職系読書。 非中央集権的分散型台帳実現のための技術としてのブロックチェーン。 基本思想に関心はあるものの、ビットコインには全く関心が起こらない。 金融商品としては、まだ実体のある金のほうに投資対象としての信用を置いている。 システム的…

喜連川優+野城智也 編『東大塾IoT講義』(東京大学出版会 2020)

繋がらないことの優位なんてほとんどないが、あまり繋がっていたくもないというのが私の本心。 Windows95と先頃公式には引退されたieの組み合わせから広まったwebアプリケーションの世界で、開発および保守運用に携わり、生活の資を得てきた人間ではあるのだ…

堀内進之助+吉岡直樹『AIアシスタントのコア・コンセプト 人工知能時代の意思決定プロセスデザイン』(ビー・エヌ・エヌ新社 2017)

AIアシスタントというのはスマートスピーカーのようなAIを利用するための仲介役をはたすデバイスやサービスのこと。IT業界に身を置いている立場上、ある程度の情報を入れておかないと話についていけなくなるので、情報収集と動向確認のため本書を手に取…

長橋賢吾『図解入門 よくわかる 最新 量子コンピュータの基本と仕組み』(秀和システム 2018)

計算力が高まれば世界は変わる。一般市民にとってはたぶんセキュリティの世界が変わることにいちばん影響がでてくるだろうか。量子コンピュータは量子力学の現象を応用したコンピュータのことで、並列計算によって古典的コンピュータの計算力を超えることが…

小室直樹『数学を使わない数学の講義』(2005, 原書『超常識の方法』1981)

本のタイトルは重要で、原書の『超常識の方法』のままだったら手に取らなかったかもしれない。40年前の書籍が15年前に改訂・改題して出版、いまでも版を重ねているようだからたぶん良書なんだろうとおもって購入して読んでみたら、昭和の香りが色濃い、おじ…

稲葉振一郎『AI時代の労働哲学』(講談社選書メチエ 2019)

ビックリです。 人工知能やロボットがこのまま進化していって自律的な行動をするようになったら法人格を与えられるようにすすんでいくだろうというのは、ごもっともな指摘で、リアリティがありました。法人としての人工知能やロボット。現実化しそうな議論…

丹羽宇一郎『人間の本性』(2019 幻冬舎新書)

情報は正確さと希少さとで価値が決まるので、できるかぎり現場の情報に触れるよう心掛けるのが良い。伊藤忠社員時代に新聞記事を根拠に大豆相場を張って15億の損失を出して得た教訓は傾聴に値する。 少ない材料をもとに予測を行えば、それこそ丁半博打のよ…

ヴォルフガング・シュトレーク「資本主義の限界」(朝日新書『世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本』より)

いまの世の中、どちらかといえば失敗していると思っている人のほうが多いのは確かだ。どうにかしたいと思って足掻いているあいだは、自己正当化バイアスがより強くかかっているので、自分の体験からいえば結構つらい。そういう時には瞬間腑抜けになって、ダ…

ピエール・ロザンヴァロン「民主主義の希望」(朝日新書『世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本』より)

主権者といわれても、人並みに税金払っているよ、くらいの感覚しかない。日本の行政のサービスが劇的に変わらないことにたいする信任を都度出しているというところなのだろうか。 理想的な民主主義では、主権者は投票日1日だけではなく、つねに主権者である…

三好範英『メルケルと右傾化するドイツ』(2018 光文社文庫)

右傾化しているのはドイツに限らない。ある程度の規模をもったところでうまくいっている国というものを探す方が難しく、危機感のなかで身を固くしていたいという想いを抱かせるような空気が現状薄くなることはない。誰だって風当たりが強いところで貧乏くじ…

エマニュエル・トッド「世界の未来」(2017.11.07インタビュー 朝日新書『世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本』より)

識字化という諸刃の剣、人口減少を受け入れている国としての日本。この二つの発言が深く刺さった。 【識字化という諸刃の剣】 識字率の普遍的な広がりは、人間は平等だという潜在意識をもった社会をつくった。なぜならだれもが読み書きできる社会だからです…

黒川康徳『今こそ石田梅岩に学ぶ!  新時代の石門心学』(2019 日本地域社会研究所)

準自費出版的な著作。松岡正剛発信で石田梅岩を読んでみようかなと思っていたところに出会った一冊。近所のブックオフで200円。 ぶっちゃけ無茶苦茶外れということではないけれども、二章以降は精神道場の道場主の訓示あるいは方針開示みたいになっていて、…

池上彰+佐藤優『宗教の現在地 資本主義、暴力、生命、国家』(角川新書 2020)

池上彰に情報量でも読解力でも発想力でもまさっている佐藤優という存在はやはりすごい。本書は宗教という専門分野ということもあってより迫力がある。語られている内容はいつもの池上彰と佐藤優なのだが、漆の重ね塗りの仕上げの塗りに出会っているような印…

伊藤恵理『みんなでつくるAI時代 これからの教養としての「STEAM」』(2018)

STEAMは科学、技術、工学、芸術、数学の頭文字。AI時代、データサイエンティストの時代と言われてから大学以降の数学の価値が急速に高まってきている。そこを選択し勉強してきた人、競争は激しくなったと思うけど、受け皿が拡大して良かったね。『容疑者Xの…

落合陽一『これからの世界をつくる仲間たちへ』(2016)

世界は「魔法をかける人」と「魔法をかけられる人」に二分される。魔法=高度な科学技術にはタネも仕掛けもあるのだから、カラクリに通じて、自分の人生に役立てましょうという勧誘の本。さらには、専門性を生み出し彩りを生むための変態性を擁護していると…

渡部徹太郎『図解即戦力 ビッグデータ分析のシステムと開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(2019)

現時点でのビッグデータ分析の技術動向、ツールを一通り網羅していて基本的知識を入れておくのに便利。ビックデータ分析システムの上流のミーティングに呼び出される可能性があるときに、事前に読んでおけば、「困った、何言ってるかさっぱりわからん」の状…

井上智洋『純粋機械化経済 頭脳資本主義と日本の没落』(2019)

一般読者層への啓蒙の書としてよくできている。経済学者が語る人工知能とベーシックインカムについての本。引用された著作を見ると著者の懐の広さを感じる。全488ページと大冊だが、意外と軽やか。 【著作・発言の引用リスト】 ガンディー『真の独立への…

堀江貴文『ハッタリの流儀 ソーシャル時代の新貨幣である「影響力」と「信用」を集める方法』(2019)

楽しんで生きているからそれほど表には出てこないが堀江貴文は努力と勤勉の人なのだ。 自分の望みとは関係なく、世間の目を気にして物事を決めてしまう。そんなツマラナイ人間のハッタリなんかに誰も乗ってこない。自分が恥ずかしくてできないがこの人はフル…

堀江貴文『すべての教育は「洗脳」である』(2017)

教育は洗脳、学習は自己調教。言い方だけという気もするが、相対化していくことは大事だと思う。堀江貴文はそんなことよりも「没頭する力」が大切と言っているけれど、アクセルを踏むための環境を整えるための状況確認として本書のような文章もとても大切。 …

堀江貴文『情報だけ武器にしろ お金や人脈、学歴はいらない!』(2019)

行動しながら情報を摂取していくことを勧める一冊。 情報を持たなければ、人は恐怖に駆られる。仕事や人生の、将来についての不安や恐怖の大半は「情報不足」が原因だ。今、「未来」の何かを怖がっているのなら、残念ながら、あなたは「情報弱者」ということ…

小川和也『デジタルは人間を奪うのか』(2014)

テクノロジーには良い側面もあれば危険な側面もあるということの再確認。テクノロジーの進歩を享受しつつ新しい世界の姿に適応していく労力も惜しんではならない。 本来、デジタルの船に乗り込んだわれわれには、これまでの偉大な想像よりももっと偉大な創造…

堀江貴文『自分のことだけ考える。 無駄なものにふりまわされないメンタル術』(2018)

信じられる自分とごまかしなく付き合う。 失敗したってそのとき反省して、また自分を信じて真剣にやるだけだ。(「はじめに」p6) 偉い。 www.poplar.co.jp 堀江貴文1970 -

大澤昇平『AI救国論』(2019)

東大史上最年少准教授という肩書をポジティブに強調しながら論が進められる一冊。競争が好きで、大体の競争には勝ち進んできた人なんだなという印象を持った。 今の世界はグローバル資本主義であり、このゲームにおいて金を集められることは、種としての生存…

吉藤オリィ『サイボーグ時代 リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略』(2019)

3年半の引きこもり生活の後、「人間の孤独を解消する」ことをミッションに、新しい技術の開発を推進する技術者・起業家の一冊。技術は身体の延長で、この世界にある困難や不自由を解消するための道具である。それだから、困難や不自由を解消したり、心地よく…

堀江貴文『99%の会社はいらない』(2016)

滅入ったときには、元気な人の本を読んでみるのも吉。 下手に頭を使って考えて動けなくなるよりも、とりあえずはじめて続けた方が結果はついてくる。続けていることで能力が下がることなんて、世の中にはほとんど存在しないのだから。(第3章「だから「遊び…

三菱総合研究所編『ビジュアル解説 IoT入門』(2016)

IoTの動向を一通り概観できる入門書。見開き2頁で1テーマを紹介。情報が圧縮されていて意外と広範囲に情報を取得できる。個人的にはp46-47の拡張現実(AR)の記事がインパクトが強かった。ARでダイエットとは… 感覚器官とその先にある脳は意外に騙されやす…

韮原祐介 『いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本 人気講師が教える仕事にAIを導入する方法』(2018)

上流よりのSEおよび依頼側担当者向けの教本。技術的なことよりもプロジェクト立ち上げ時に必要となる前提知識を教えてくれる。工数計算のとき使用データの前処理に一番時間がかかるという指摘が一番心に響いた。 機械学習においてはモデル構築が最も大変と思…

竹内薫『数学×思考=ざっくりと いかにして問題をとくか』(2014)

数学系思考がベースのビジネス書。基本的にゴシック文字を記憶にとめて、あとは実践に向かうようにできているのではないかと考える。知識も必要だけど、現場でどれだけ使えるか、その領域で勘が働いているかが重要。実務にあっては、資格よりも経歴が重要。…