日本語に翻訳されてもなお失われないバイロンの詩句の疾走感。
詩人シェリーとその文化圏との交友関係のなかから生まれたゴシックロマンスの初期傑作『フランケンシュタイン』『ヴァンパイア』とも精神的に繋がる世界観のなかで生きた詩人の姿を、本人の特徴的な詩句からしっかりと浮かび上がらせようとしたした選詩集。
19世紀初頭の詩の世界のひとつの傾向について、バイロンによって明らかに示されているということがよく感じ取れる著作となっている。
悲劇的荘重感と喜劇的世俗性を併せ持ちつつ詩作をおこなった詩人の息づかいを感じ取れるように配慮されたバイロン愛あふれる一冊。
【目次】
1 旅する魂
2 東方ロマンスの世界
3 内面世界の広がり
4 自我意識の崇高と呪い
間奏曲―政治意識の芽生え
5 ヴェネチア総督の「陰謀」
6 古代アッシリア、伝説の王宮の最期
7 諷刺と諧謔
8 抒情詩
【付箋箇所】
5, 23, 57, 61, 83, 117, 127, 165, 185, 221, 225, 227, 247, 263,
ジョージ・ゴードン・バイロン
1788 - 1824