読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

長田弘『誰も気づかなかった』(みすず書房 2020)厳しい孤独と存在の確かさが文字記号に充填されているという人間界の出来事

全詩集未収録の六篇。

いつだってすっと入り込まれてしまっているが、こちらは気分的にそっとお茶を出すくらいのことしかできない長田弘の詩。没後5年でも、新しい本が届きました。昼間はお茶で、夜はお酒で、じっくり坐って、何度か読ませていただいている。「一瞬は永遠よりも長い」。ああ、そうなんですね・・・

守護神にまもられることなく、
ここによく在ること。
今はそれだけである。
(「誰も気づかなかった」より)

 「よく」というのは「しっかりと」くらいの意味なんでしょうかね・・・ 返事は来年の自分にでも聞いてみます。

 

目次:

誰も気づかなかった

夜の散文詩
  図書館の木の椅子
  静かな闇の向こう
  ONE
  一瞬は永遠よりも長い
  街路樹の幻

 

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長田弘
1939 - 2015