52歳での賃貸物件引越。
東京都内、北部の区から南部の市へ。
転換期をむかえた家の者の便宜をはかるための転居。
都内移動とはいえ、驚くほど移動感のない引越。
一日目の感想。
調度品が変わらない。最寄りのスーパーマーケットが変わらない。ネットの通信環境が変わらない。
電気、ガス、水道のライフラインが変わらない。
窓から見える景色がそれほどかわらない。
今回は五階から二階への引越で、空を見上げる感覚は多少強くなった。
前々回の一階の居住は、歩行者と同一平面にあることの特殊性を強く印象付けられていた。
いかに分離をたもてるか。
二階以上の居住空間では、はじめからとおりすがりの人とは分断されているので、気が楽である。
基本的に誰にも気にされず、誰からも関心を持たれない空間が中空にある。それが二階以上の居住空間。
今回の引越準備中に読んでいた本は、芭蕉の紀行文集と明恵上人の和歌集。
常ならぬ世界に住まう意識の高かったお二人。
旅と出家に生きた稀有な人。
己にあった程度と速度でうつろいゆくなかで、先人のまばゆい強度のもとにうまれた日本語特有の表現に刺激をうけて、じっと受け入れ態勢を整える必要性を感じつづけていたような気がする。
※心は比較的平穏を保っているが、からだのほうは無理がきかず、当日なのにすでにあちこち痛い。からだで感じる時の不可逆性。結構きついものがある。
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記事一覧20230428 FRI 引越前日、先回りして危機回避