読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

ベルナール・ビュフェの画集三冊

静岡県長泉町にあるベルナール・ビュフェ美術館は表現主義の画家ビュフェの作品のみを収蔵・展示する美術館で、スルガ銀行創業家に生まれ第三代頭取を務めた1973年に岡野喜一郎によって創設された。

ビュフェの作品は第二次大戦を経験した作者の不安で荒涼とした心象風景が表されているといわれ、同じく第二次大戦から復員して鬱々としていた岡野喜一郎はその作品に打たれ、生涯を通して傾倒していくことになったようだ。

傷のように画面を走るかすれた黒い線が荒涼とした情景を映し出し、諦念におおわれたような静けさが画面から漂いだしてくるような印象の作品が並んでいる。人間も動物もうつろな目をしていて生気が感じられないが、それでも生きている悲哀が噴出している。

時として色彩が浮いているような作品も混在しているが、くすんだ色調で統一されている作品については人を捕らえる魔的で妖しい魅力がある。

ベルナール・ビュフェ美術館はスルガ銀行創業家
1.『ベルナール・ビュフェ美術館』(ベルナール・ビュフェ美術館 1989)37×24cm
 油彩 カラー図版46点。

2.『ベルナール・ビュフェ 版画第一集』(ベルナール・ビュフェ美術館 1984)37×24cm
 リトグラフ 80点、基本的にカラー図版(一部モノクローム)。
 ドライポイント モノクローム図版28点

3.『ベルナール・ビュフェ 版画第二集』(ベルナール・ビュフェ美術館 1985)37×24cm
 リトグラフ 45点、基本的にカラー図版(一部モノクローム)。
 ドライポイント モノクローム図版80

 

www.buffet-museum.jp


ベルナール・ビュフェ
1928 - 1999
岡野喜一郎
1917 - 1995