読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

監修:瀧澤秀保、編集・文:ロム・インターナショナル『西洋絵画風景をめぐる12か月』(三才ブックス 2023)

副題は「西洋美術が楽しくなる一日5分の美術鑑賞」で、閏年対応の全366点の作品を解説紹介。書籍サイズがB6判で普通の単行本の大きさに横10.5cmのカラー図版が掲載されている。さすがに細部はよく見てとることはできないが、馴染みの薄い作品がかなり取り上げられていて、かなり新鮮な気持ちで鑑賞できる。

印象派以降の作品、19世紀後半から20世紀初頭までの作品が多く、この時代の作品傾向の多方面での広がりを感じ取ることができる。19世紀の世紀末の芸術界は凄かったのだろう。

取り上げられている作品数で一番多いのはモネ、次いでゴッホ、その次にターナーが来ているのが目を引いた。またアンリ・ルソーの点数が多いこと、ナビ派の装飾的な作品が目に付くところなどに監修者の趣味が出ているようだ。またロシアの移動派の作品とアメリカのハドソン・リバー派の作品が比較的多く紹介されているのはとても珍しいことではないかと思う。

移動派のロシアの澄んだ光と大気を感じさせる作品にはおそらくはじめて接したということもあってとても魅力を感じた。イサーク・レヴィタンとアルヒープ・クイーンジがとくに目を引いた

 

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瀧澤秀保
1943 -