読書三昧(仮免) 禹歩の痛痒アーカイブ

乱読中年、中途と半端を生きる

ジャック・デリダ『思考すること、それはノンと言うことである 初期ソルボンヌ講義』(原著 2022, 訳:松田智裕 青土社 2023)

デリダ30歳、脱構築の著述家となる以前の1960-61年度のソルボンヌ大学での講義録。遠く『ユリシーズ・グラモフォン』のウィに関する考察にまで波及する肯定と否定の言辞に関する思索。

アランの「思考すること、それはノンと言うことである」という言葉を出発点として、思考することの根底にある意志とそれを成り立たせている自己のへの肯定に目を向けさせ、デカルトベルクソンサルトルフッサールなどを参照しながら、懐疑のノンと真理のウィ、否定と無の問題を取り上げている。自分に対する肯定と偶像に対する否定の関係性を伝えようとした比較的読みやすい講義である。

 

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【目次】
編者序文——ウィ ノン

第一回
第二回
第三回
第四回

付録/訳注/訳者解説/索引

【付箋箇所】
14, 15, 16,18,29,38, 40, 43, 51, 60, 73, 80, 82, 86, 91, 92, 94, 97, 102, 111, 113, 114, 118, 130, 133, 138, 140, 151, 190, 194, 196, 197, 198

ジャック・デリダ
1930 - 2004

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